カテゴリ: 廃病院

カメラを持ったのも廃墟に来たのも、約一ヶ月ぶりだ。

大学が始まり、忙しくなったということもあるが、どういうわけかしばらく廃墟に対する意欲が低下していた。

いや、廃墟への意欲だけが失せているわけではない。

最早なんのやる気も出ないのだ。

今朝は早朝から二つの物件をまわる予定だったにも関わらず、寝坊して四時間遅れの出発となった。


この無影灯を見たいと二ヶ月前くらいから思っていたものの、随分と先延ばしにしてきた。

廃病院は苦手だ。

というより、多分私は廃墟自体得意ではないと今更ながら気が付いた。

言っていることとやっていることが大分矛盾しているが、そもそも私は危ないこととか危険なことが嫌いなのだ。


この手術室さえ撮影できれば私は満足だ。

一通り回った後、さっさと帰ろうと思う。


この光景、デジャブ。

廊下×車椅子 という組み合わせを至る所で見掛ける。


この物件を探している時、遠目から見て直ぐに「ああ、あれだろうな」と気が付いた。

明らかに「廃墟」といった佇まいだが、この病院は住宅に囲まれている。

夜、家の窓からこんな建物が見えたら、廃墟好きの私でも不気味に感じるだろう。


先生の白衣。


帰ろう。

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怖い題名をつけたが、この赤茶色の染みは血ではなくイソジンなので安心して見て頂きたい。

この病院の扉はきちんと閉鎖されており、窓も破られていなかったので一目見ただけでは一時的に閉められた病院なのか廃墟なのか判断ができない。


と言っても、判断が難しいのは中に入ってからも同じだ。
中はとても綺麗で、落書き一つなかった。

これじゃあ私が空き巣みたいじゃないか…。


車椅子。


放置してはいけないような薬がゴロゴロ。

それにしても、空き巣と私(廃墟マニア)はどうやって見極めたらいいのだろう。

仮に管理人か誰かに見つかったとして、「あっ、廃墟マニアです、エヘッ(カメラを見せる)」と言えば信じてもらえるのだろうか。

しかしそれで済む話なら、本物の空き巣はカメラを持参しておけば安心ということになってしまうのではないか…。


見極め方とかそういうことを考える以前に、実は私は「入ってみたけどいいものがなかったから何も盗らずに出てきた空き巣」に過ぎないのかもしれない。


空き巣と自分の違いが本格的に分からなくなってきたところで帰ります。

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今回は住宅街に異様な姿で佇む、とある精神病院跡を訪れた。

有刺鉄線や万能鋼板などでがっつり囲まれていたが、何者かの手により一部破壊されており、簡単に侵入することができた。

一階は窓が木の板で塞がれていて、真っ暗だった。

もうこの時点で帰りたい。

私はコンクリート造りの大きな病院の廃墟が苦手だ。

以前別の廃病院を訪れた際、怖すぎてろくに写真も撮らず早々に撤退したことがある。

二階から上は明るいので少し安心した。

ベッドの沢山並ぶ同じような部屋が続いており、二階、三階は一般的な病室となっていた。
 
次は地下に向かう。


地下はまるで独房だった。

部屋、と呼べるのか分からないくらいの狭い部屋が横にずらりと並んでいて、頑丈そうな檻の前には閉じ込められた人を監視するために作られたらしい廊下があった。


精神を病み、社会のレールから外れてしまった壊れた人を誰の目も届かない地下室に幽閉し、初めからいなかったことにしてしまったのだろうか。


「隠さないで。僕はここにいるよ」

そんな声が聞こえた気がした。

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