カメラを持ったのも廃墟に来たのも、約一ヶ月ぶりだ。
大学が始まり、忙しくなったということもあるが、どういうわけかしばらく廃墟に対する意欲が低下していた。
いや、廃墟への意欲だけが失せているわけではない。
最早なんのやる気も出ないのだ。
今朝は早朝から二つの物件をまわる予定だったにも関わらず、寝坊して四時間遅れの出発となった。
この無影灯を見たいと二ヶ月前くらいから思っていたものの、随分と先延ばしにしてきた。
廃病院は苦手だ。
というより、多分私は廃墟自体得意ではないと今更ながら気が付いた。
言っていることとやっていることが大分矛盾しているが、そもそも私は危ないこととか危険なことが嫌いなのだ。
この手術室さえ撮影できれば私は満足だ。
一通り回った後、さっさと帰ろうと思う。
この光景、デジャブ。
廊下×車椅子 という組み合わせを至る所で見掛ける。
この物件を探している時、遠目から見て直ぐに「ああ、あれだろうな」と気が付いた。
明らかに「廃墟」といった佇まいだが、この病院は住宅に囲まれている。
夜、家の窓からこんな建物が見えたら、廃墟好きの私でも不気味に感じるだろう。
先生の白衣。
帰ろう。
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