今回は住宅街に異様な姿で佇む、とある精神病院跡を訪れた。

有刺鉄線や万能鋼板などでがっつり囲まれていたが、何者かの手により一部破壊されており、簡単に侵入することができた。

一階は窓が木の板で塞がれていて、真っ暗だった。

もうこの時点で帰りたい。

私はコンクリート造りの大きな病院の廃墟が苦手だ。

以前別の廃病院を訪れた際、怖すぎてろくに写真も撮らず早々に撤退したことがある。

二階から上は明るいので少し安心した。

ベッドの沢山並ぶ同じような部屋が続いており、二階、三階は一般的な病室となっていた。
 
次は地下に向かう。


地下はまるで独房だった。

部屋、と呼べるのか分からないくらいの狭い部屋が横にずらりと並んでいて、頑丈そうな檻の前には閉じ込められた人を監視するために作られたらしい廊下があった。


精神を病み、社会のレールから外れてしまった壊れた人を誰の目も届かない地下室に幽閉し、初めからいなかったことにしてしまったのだろうか。


「隠さないで。僕はここにいるよ」

そんな声が聞こえた気がした。