私は本当にここへ足を踏み入れたのだろうかと、自宅に戻ってから殆ど回っていない頭でぼんやりと考える。

頭が回らないのは、前日はしゃぎすぎて眠らずにここを訪れたからという理由だけではない。

ここは警備員が常在しているので侵入できるはずがないと、つい最近まで完全に諦めていたからだ。

ずっと登りたかったこのジェットコースターのてっぺんに登れたことは、今でも夢のように感じる。


まだ日が明けたばかりの時間、人目を気にしながらささっと園内への侵入をはかった。


先月訪れた遊園地の廃墟とは比べものにならない数のアトラクション。

本当は一つずつじっくりと撮影をしたいが、モタモタしている余裕はない。

手早く撮影を済ませ、ここを出なくては。


取り敢えず、一番登りたかったジェットコースターに登る。

私はご飯を食べる時好きなものは残しておくタイプだが、廃墟の場合最も撮りたいものから順に撮影する。

なぜなら私が廃墟で最も恐れていることは、誰かに見つかり、撮影を中断させられてしまうことだからだ。

警察に捕まることは百歩譲って仕方ないとして、目と鼻の先にある廃墟の撮影が未遂に終わること程悔しいことはない。


私はジェットコースターが…というより、高いところが苦手だ。

早く降りたいなぁ、などと考えながらてっぺんを目指す。


園内が見渡せる。


た、高い…。

このジェットコースターが現役なら、私は絶対に乗らないだろう。


二つ目のジェットコースターにむかう。

歩きながら、警察に捕まって親に連絡がいったら、「お前はいつかこうなると思ってた」とか言われるんだろうなぁ、なんて考えていた。


次はこれに登る。
木造ジェットコースター。


木の部分はミシミシいうし、ところどころ釘が外れているので、金属のレール部分を慎重に歩いて進んだ。


ここから落ちたら死ぬよな。死んだらまさに自業自得だな。それに、死者が出れば間違いなく遊園地は封鎖されて、2ちゃんでむちゃくちゃ叩かれるんだろうな。
…などと考える。


滞在時間は三時間。

緊張でお腹がずっと痛かった。
大学を卒業するまでは捕まりたくない…。

園内が広すぎる上、眠気やら緊張やらで撮影が適当だったので、近いうちにまた訪れようと思う。

無茶苦茶眠い。寝る。

おやすみなさい。