この別荘は木々に囲まれた場所にぽつんと寂しく佇んでいる。
道路横の小道を曲がると、オレンジ色屋根の二階建ての家が突如姿を現した。
白雪姫が辿りついた小人の家のような、アンティーク感漂う可愛らしい家だ。
夏に訪れると植物が鮮やかで綺麗だが、兎に角虫が多い。
大きな廃墟ではないので、ささっと撮影して帰ろうと思う。
ここは何度も訪れているが、どんどん損傷が激しくなっている印象を受ける。
一階の床は完全に崩れ落ち、今では歩くことも叶わない。
とは言え、私はこの廃墟は外観だけ撮れれば満足なので、二階を少し覗いた後撮影を終了する。
この家は、かつて地位の高い一族が住んでいたらしく、部屋にはエリザベス女王と一緒に写った男性の写真などが置き去りにされていたが、部屋の中が破茶滅茶で最早どこにいったのか分からなかった。
物が散乱していて歩くのも一苦労なので早々に二階を後にする。
最後に外観を撮影していると、付近で納涼祭の準備をしていたお兄さん達が、「ポケモンゴー?ポケモンゴー?」と言って近付いてきた。
私は任天堂のゲームが大好きだが、ポケモンゴーはダウンロードしていない。
なぜなら、ゲーム程時間を無駄にする行為はないと思うからだ。
ポケモンゴーを作った偉い人が、「家にこもってばかりいないで、ポケモンゴーを使って外の色々な世界を見てほしい…」と言っていたが、廃墟のために全国を飛び回っている私にとっては時間を無駄にするゲームでしかないだろう…。
取り敢えず、今後管理人に見つかり怒られることがあった場合、「夢中でポケモンゴーをやっていたら…ごめんなさい」と言って謝ろうと思う。
コメント
コメント一覧 (3)
写真のお爺さんが
窓辺に日本人形を飾って住んでたのかな
うーんイメージし辛い
あと廃墟で誰かに遭遇する話はとても怖いですね。読んでてヒヤッとします