2016年10月


初めに理っておくが、ほとんど写真を撮っていない。

というのも、夜中一人で廃墟にいる状況は中々恐怖を感じるのだ。

どこからか動物の鳴き声がするのが心臓に悪いし、ライトの光が雨水に反射して光るたび吃驚しなければいけないので、精神的に負担が大きく、長く留まっていられなかった。

私は男性と交際するにあたって趣味が同じである必要はないと考えるが、この時ばかりは廃墟好きな彼氏(アシスタント)が欲しいと思った。

なぜなら、精神的な負担が大きいということに加え、三脚と脚立が重いからだ。

なんで脚立?と思っただろうか。
三脚を高く伸ばすのはいいものの、背が低い私は脚立がなければ高すぎてシャッターを押すことができないのだ。

カメラを持って三脚を持って脚立を持って足元をライトで照らしながら移動…

一人では大変すぎる。

怖い、重い、と嫌なことばかりだったが、一つ良かったのは昼間のうちにリユースショップで五百円のダウンを購入して撮影に臨んだので、この日凍えることはなかったということだ。


ここを訪れるのは三回目だ。
二回共、勿論昼間である。

前回訪れた時、作業員のような人に見つかって追い出された。

門にも沢山の張り紙が貼られており、今度見つかるとなんだかやばそうなので今回は日が暮れてから訪れた。

天気が悪くてがっかりである。


ジャスミンのお城、というたいそうな題名をつけたが、勿論ジャスミンのお城ではない。

廃墟に住んでいるお姫さまなんて嫌だ。

要は良い題名が思い浮かばなかったのだ。
何か他にいい題名があれば教えて欲しい。


写真は以上だ。

物足りないと思われるかもしれないが、いたいけな女子に深夜月明かりも届かない真っ暗な廃墟の屋内に入れなどと言わないでもらえると嬉しい。


ちなみに昼間はこんな感じ。

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星空の下静かに佇む観覧車。

かつて沢山の笑顔を乗せたゴンドラは、今や永遠に稼働しない。

この日は大学が遅くまであったため、夕方からの出発である。

この遊園地を訪れるのは四回目だ。

晴れの日も曇りの日もこの観覧車を撮った。
雪が降っていたこともある。

あとは夜に撮影するのみだ。


22時頃到着し、空を見てがっかりした。

曇っていてほとんど星が見えない。

晴れるまで待とうとも思ったが、長袖二枚しか持って来なかったため(関東地方はまだ暖かかったので油断した)、何もせずに突っ立っているには寒すぎる。

段々雲が濃くなってきたので仕方なく引き返すことにした。

しかし、どういうことだろう。

インターに差し掛かった手前、急に雲が引いたのだ。

時刻は深夜0時。


ほとんど雲はなくなった。

こんなに早く引いたのは、強い風のお陰だろう。

あとは真っ暗でほとんど何も見えないので、以前昼間に撮った構図を思い出してカメラをセットするだけだ。


こんな感じだったかな?


それにしても、シャッターを切っている間何もせずにじっとしていると益々寒い。

風が強い上に、気温は10度だ。


ピカー!


さっきとは見違える程のすっきりした夜空。

草むらからガサゴソ音がするのが怖いので帰ろうと思う。

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カメラを持ったのも廃墟に来たのも、約一ヶ月ぶりだ。

大学が始まり、忙しくなったということもあるが、どういうわけかしばらく廃墟に対する意欲が低下していた。

いや、廃墟への意欲だけが失せているわけではない。

最早なんのやる気も出ないのだ。

今朝は早朝から二つの物件をまわる予定だったにも関わらず、寝坊して四時間遅れの出発となった。


この無影灯を見たいと二ヶ月前くらいから思っていたものの、随分と先延ばしにしてきた。

廃病院は苦手だ。

というより、多分私は廃墟自体得意ではないと今更ながら気が付いた。

言っていることとやっていることが大分矛盾しているが、そもそも私は危ないこととか危険なことが嫌いなのだ。


この手術室さえ撮影できれば私は満足だ。

一通り回った後、さっさと帰ろうと思う。


この光景、デジャブ。

廊下×車椅子 という組み合わせを至る所で見掛ける。


この物件を探している時、遠目から見て直ぐに「ああ、あれだろうな」と気が付いた。

明らかに「廃墟」といった佇まいだが、この病院は住宅に囲まれている。

夜、家の窓からこんな建物が見えたら、廃墟好きの私でも不気味に感じるだろう。


先生の白衣。


帰ろう。

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